春の嵐か、雨降りがちのゴリゴリ村。
それは、朝の散歩中に起こったンだな。
海から打ち上げられたにしては、海岸線にちょっと遠い。
かと言って、『おとしもの』と言うには、かなり不自然な場所に落ちている。
一体コレは…。
ワタシ、気になります!
後ろ、木であります!
ただひたすらに 落とし主を探し出すのもツマラナイ。
ここは一つ、推理と行こうじゃあないか。
今夜は長い夜になりそうだ。
だから少しにがめで。
コーヒーを飲みながら 考えをまとめるンだな。
さて、まずは現場検証から。
落ちていたのはちょうどこのあたりの崖下。
キャンプ場から投げ捨てたようにも見えるが、昨日キャンプ客はいなかった。
そして、昨夜遅くジョニーと話した時には なかったから、犯行時刻は早朝の数時間というコトになる。
キャンプ客でないとすると、次にアヤシイのが近隣の住民たち。
シベリア・チャス・アイーダ。
この中で早朝起きている可能性があるのはチャス。
けれど、チャスのシワザというには動機がない。
もう一度、現場にもどってみよう。
そもそもココはどういう場所なのか。
ココは今、みんなが雑に植えたり、交配で出来たハンパな花を植えては、どうなるか試すための 実験場になっている。
落ちていたのは赤と白のバラに囲まれた崖の真下。
バラの交配に何か関わりがあるのだろうか。
この花たちが生まれたバラ園に向かってみる。
赤いバラは、今や数が増えすぎて持て余し気味。
奥には……んんッ!?
奥にあるのは青バラ用の元になる赤バラを作るための交配バラ園。
増えた赤いバラが交配して出来たのか わかるよう、みんなが植えたバラは、どんな色であろうと全て海岸送りにしていたンだな。
それを直接見ていたのは、となりに家を持つキミしかいないッ!
ズバリ、「バラを海岸に植えるのやめて〜〜〜」という意思表示に違いないンだな
よってタツオ、キミがこの事件の………。
全然当たってねぇ!!
本当の落とし主はアイーダでした。
一番に除外してるし!!
今度落し物を見付けた時は、もう一度一から『評価』のし直しなンだな。