第257話『さらなる嵐の予感』なンだな。

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その日は朝から息も出来ないほどの豪雷雨だった。

空には目の奥が痛くなるほどの激しい雷光。
何度も船から投げ出される例のアイツがいやしまいかと、シケた海を見に行ってみたが、砂浜には誰もいなかった。

こういう場所は落雷の危険があるのだから、早々に引き上げた方が良いだろう。

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帰る途中、川面に浮かぶ見た事もない大きな魚影に釣り糸をたれてみたら、見た事もないような大きな魚が釣れた。
雨が降るとまず魚は釣れないと言うヒト、かえって釣れると言うヒト、両方いるけれど、真相はどっちなのか。

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雨は降り続く。
そうだね、グラハム。
確かにこンな雨じゃ、カサは気休めにしかすぎないだろう。

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そうか、キミはこの豪雷雨の中で、この村を出て行く決意をしたのか。

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雷をバックにその決意を聞くと、まるでサスペンス・ドラマのようだよ。
電撃的な新しい出会いがあると良いな。

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そしてこの日、初めて青いバラが咲いた。
全てを洗い流す勢いの雨の下、青いバラが咲いた。

何人(なんぴと)も寄せ付けない気高さの、青いバラが。

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