【『戦士ヨウコウ国へ帰る』の巻】
[第1話]〜旅は道連れ、代は王様!?〜
   



はげしい戦い果て、勇者ギンガとその一行は 戦士ヨウコウの生まれ育ったシロップ村へとたどりついたのだった。

ヨウコ「こちらです!勇者どの!」
ギンガ「とくと見せてもらうぞ!」



(ザッザッザ…。)

案内された場所は、目をみはらんばかりの立派な城下町。



町に着くや、ソワソワしはじめる戦士ヨウコウ。
問いつめるギンガにヨウコウは、こう答えた。

ヨウコ「じ・・じつは・・わたくし」
ヨウコ「シロップ王国の」
ヨウコ「キングなのです。」
ギンガ「キング!!!」



ヨウコ「オレオレ」

戦士から王の姿へ変わったとたん、態度が急変するヨウコウ。

ギンガ「それは、サギ!」

ふるえている様子に、どうもおかしいと思いはじめたギンガ。



ギンガ(さてはコイツ門番か?)

もしかしたら、王様と言うのは…。
何とか真実を確かめる方法はないものか。



ヨウコ「手を入れられよ!」

何とこれはウソを見ぬくという真実の口ではないか。

ギンガ(ためしてみるか)



ギンガ「私は、女だ!」

言葉に反応して動かなくなる右手。
そう、ギンガはあえてウソをついてみたのだ。
この装置(そうち)がちゃんと動いているのを確かめるために。



ギンガ「さ、ヨウコウの番だ!」
ヨウコ「シロップ城のキングだ」

ふるえながら右手をさしのべるヨウコウ。
するとその時!



【ガシッ!!】
ヨウコ「ひぃっ」
ギンガ「・・・・・・やはり。」

真実の口はしっかりとそのウソをとらえている。



ヨウコ「故障中みたいだ・・」

半泣きになりながら、何かをうったえようとするヨウコウ。
そんなヨウコウにギンガはそっとつぶやいた。

ギンガ「もういい、ヨウコウ」
ギンガ「故郷(こきょう)に錦(にしき)をかざりたかったのだろう。」




ギンガ「一芝居うってみようではないか」
ギンガ「ヨウコウ、君は今から勇者だ」
ギンガ「私を従えて国を回るが良い。」

しばし考えこんだヨウコウは、この提案(ていあん)を快(こころよ)く受け入れたのだった…。
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